見下す蠍の徒然

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見下す蠍の徒然

IF YOU WANT TO FIGHT, BE STRONG!!

パワハラ社労士が訴訟提起?

法律的雑感

headlines.yahoo.co.jp

 

業務停止になって一件落着、かとおもいきや第二ラウンドがあるんですね。

でもこの訴訟

停止命令は3ヶ月だし訴えの利益がなくなって却下になるのがオチではないか?

そう思って、少し検討してみました。

 

この場合の判例に成り得るのは、最判55年11月25日と思われます。

簡単に紹介すると、免許停止処分は間違いだ、としてその処分の取消しを求めて取消訴訟が提起されたのですが、その免停期間が満了したため、訴えの利益、すなわち訴訟をする意味は無いとして訴えを却下した判決です。

その理由は、免停期間が満了すれば、免許停止処分を理由に法律上の不利益を課されることはないのだから、取り消す意味は無い、ということになります。

この訴訟では免停という履歴が残ることによって名誉などがき損される可能性も主張されましたが、それは事実上の効果にすぎない、としてその主張は否定されました。

 

基本的にこの訴訟も同じ枠組みで判断されるんでしょう

この社労士の先生の主張は、中日新聞のほうが詳細に記載されています。

処分取り消し求め提訴 「解雇ノウハウ」社労士:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)

これによれば、

>兼務する税理士業務でも顧客との契約を解除せざるを得ず、懲戒処分は不利益が大きすぎる

というのが主張みたいです。

これを法律上の利益と考えるか、事実上の効果にすぎないと考えるかは一考の余地がある問題ですが、

社会保険労務士の業務の損失ではないこと

・顧客との契約解除と不利益が間接的であること

を考えると、事実上の効果にすぎない、と考えるほうが妥当に思えます。

逆に言うと、この人はこの不利益が業務停止処分に伴う法律的なものであると裁判官を説得しないと、そもそも処分の当否という本案の部分を判断してもらえないわけです。

 

とここまでつらつらと書きましたが、ここまでの内容って正直法学部レベルのお話なんですよねえ。

なんかの報道で見たんですけど、この人法務博士(ロースクールは出てる)らしいんで、これぐらいのことは当然知っていてしかるべきだと思うんですよ。

本人訴訟ではなくて、弁護士が付いているのならなおさらです。

 

それとも、記事には載っていないだけで、国賠訴訟も併合提起しているんでしょうか?国賠訴訟の場合は訴えの利益は要件になりませんので、この先生の主張をするならそちらが主戦場になると思います。

 

まあ、業務停止で損なわれた名誉を取り戻したい、と考えるんだったら取消訴訟は直接的っちゃあ直接的なんですけどねえ。

 

以上、発言内容の不適切性だとか訴えることの是非には立ち入らずに色々書いてみました。

なんか判例の解釈の間違いがあれば容赦なく突っ込んでください。