見下す蠍の徒然

見下す蠍の徒然

IF YOU WANT TO FIGHT, BE STRONG!!

Magma - BBC 1974 Londres

早いうちにこのアルバムのことは書いておきたかった。

うーん、しかしどう書きだそうか。どう書いてもこれは中途半端になってしまう。

言葉では賞賛し尽くせない、今「一番好きなライブアルバムは?」と聞かれたら、これかScorpionsの「Tokyo Tapes」をあげます。それくらい好きです。

 

一般的に良いライブアルバムって、

・バンドの調子がいいときに

・代表曲が収録されてて

・演奏もいい

だいたいこんな感じだと思います。なんでも知っているライブアルバム思い起こしてもらえばいいんですが、有名ドコロで行けばDeep Purpleの「Live in Japan」ですね。

・Machine Head発売後の絶頂期に

・Highway Star,Chird in TimeそしてSmoke on the Waterが入ってて

・演奏のテンション最高、ギランの声も出ている

てな感じです。

多分「Tokyo Tapes」もそんな感じ。

 

翻って、この「BBC 1974 Londres」はどうでしょう?

最初と最後は満たしています。それが本当かどうかは聞いて確かめてくれとしか言いようが無い。

2個目は?

収録曲はたったの2曲。

1.Theusz Hamtaahk

2.Kohntarkosz

これらは一応代表曲であると断言はできます。ただ、そもそもTheusz Hamtaahkはスタジオ録音はないし、Kohntarkoszに至ってはスタジオ録音と全然構成が違う。代表曲といえばM.D.Kでしが、これも入ってないわで、上の条件満たしてないんじゃ?

しかもメインの一人、ステラも何らかの事情で不参加です。

 

そのような条件にもかかわらず、これを大名盤である!と断言するのは、やはり構成/演奏いずれも大変素晴らしいからであります。

Magmaのライブ盤といえば1976年の「Hhai」ですが、あれはダメね。ロックウッドとパガノッティに何か不満があるわけじゃないけど、なんか物足りない。

 

曲別の解説。

 

1.Theusz Hamtaahk

この曲はスタジオ録音されていないと言いつつも、演奏のレパートリーとしては長い期間はいっておりますんで、M.D.KやHhai程ではないにしても、聞く機会は良くあります。で、その中でもアレンジがコロコロ変わっております。同年2月のブレーメンでのライブと比べると顕著です。

しかし、その中でもこの演奏のアレンジがナンバーワンといえます。

”逐時”的に解説することは避けますが、まず全体的なテンションが高い、といいますか曲冒頭のテンションはいつなんどきでも高いんですが、1976以降の演奏だと中盤で落ち着いてしまうんですね。しかしこのバージョンは最後のコーダまでハイテンションで突っ走り、次の「ハマタイ!」まで繋がるわけです。

次に、後半に後のアレンジだとベース中心の格好いいパートがあります。わかりにくいんですが、Best on Tour 76でMekanïk Zaïnとして取り上げられているところ。YouTubeで示せればよかったんですが、流石にないっすね。

この演奏だと、ここでブラスキスがスキャットしてないんですよ。他の演奏だとしてる。これはときの前後の問題ではなく、同じ年のブレーメンでもしてたんで、アレンジの違いなんでしょう。2000年以降のライブでもやってるので、こちらがイレギュラーなんでしょう。しかし、そのことが功を奏します。おかげでトップのベースのフレーズがよりはっきり聞こえるようになり、満点。死ぬほど格好いいよ。ベースソロでここまで格好いいのは、これとFractureで一瞬ウェットンのベースだけになるところ位だと思います。

あとコーダも地味にいいね。これは1976年辺りには完全に消滅しちゃってるんですが、テンションそのままにテンポだけ遅くなって変な感じ。聞き所はブラスキスの声。

 

正直このアレンジで録音していてくれてたら多分Magmaというバンドの歴史もまた違ったんじゃないかな。

K.A、Ëmëhntëhtt-Ré といった70年代の後始末プロジェクトでも録音しなかったところを見ると、最初からスタジオ録音するつもりがなかったか、2001年の三楽章コンサートで完成とするつもりだったんでしょう。つくづく惜しい。

 

2.Kohntarkosz

これはスタジオアルバムだけ聞いている人がKohntarkoszとして認識しているものとは明確に違う。当然、アルバムHhaiを聞いてる人が知っているKohntakとも別物。

最初と「ドレミ~」としか聞こえないパートは同じですが、そこからが完全に違う、というかK.Aです。Kohntarkosz Anteria。コバイア語でAnteriaってのは「前~」とかそういう意味らしいですから、K.AってのはKohntarkoszの初期バージョンってことになるんですかね。多分違う。前、っていうのはおそらくストーリー的に前って意味だと思われます。

時系列的にはどうなのかな…?このライブは3月14日の録音ってことで、アルバムの方のKohntarkoszの録音がいつかわかりかねるので先後がわからん。いや、IneditsによればOm ZankaとGamma Anteriaは73年から演奏されている。このことから考えると、曲的にもAnteriaなんでしょう。

Kohntarkoszを期待して聞くと多分期待はずれなんですが、その期待を抱かずに聞くと、素晴らしい演奏です。

まあ、K.AⅢにおける「ハレルヤ」の大合唱はまだここではない。おそらく今世紀に入ってから付け足したものなのでしょう。流石にステラがいないとなるとムリだね、それは。というかボーカルの数が揃った2000年代になって初めて可能になった演奏なんでしょう。

 

多分これだと魅力の半分も語りきれてない。

ってことで実際に聞いてみてください。プログレッシブ・ロックが好きだっていうなら、嫁子供を質に入れても入手して聞く価値はあると思いますよ。

 

↓なぜかKohntarkoszの後半だけあった。謎だ。

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