見下す蠍の徒然

見下す蠍の徒然

IF YOU WANT TO FIGHT, BE STRONG!!

King Crimson - Islands

1972年発表の4th。前作Lizardからは(フリップを除き)サックスのメル・コリンズと作詞のピート・シンフィールド以外全てのメンバーがチェンジ。ついでに次作太陽と戦慄ではフリップ以外全てのメンバーがチェンジしているので、このメンバーはこのアルバムだけです。

 

フリップ以外の三人がその後ブリティッシュ・ブルースの父(ということは知っているけど聞いたことない)アレクシス・コーナーの元にに走ったことからもわかるように、これまでの三作に比べストレートな作風。といえどもフリップはいるし、宮殿以来のライブで曲を練りに練ってからの作品なので、プログレの範疇には入っています。

 

この時期の特徴として、やたらライブをしているので、DGMライブラリもブートレグも充実しております。私も何枚か持っておりますが、素晴らしいものがたくさんあります。

DGMではない公式盤はあまりないんですが、Earthboundという音質の悪さで有名なのが一つありまして、それも内容自体は素晴らしいんですがそれについては長くなるのでまた別の機会に。

この時期のライブでは、やったりやらなかったりはあるようですが、Prelude: Song Of The Gulls以外は収録曲全て演奏しているようで、やはりこのアルバムはライブで練り上げれれたということが言えるかと思います。

ちなみに、他はPicture of the City、Circus、Cadence & Cascade、Groon、21世紀の精神異常者、Mars(ブートだとこうなっています。公式でもそう。)あたりをやってます。

素晴らしいものもたくさんあるんですが、それを紹介しているとキリがないのでそれもまたの機会に…

 

本題に入ります。

King Crimsonのアルバムは、解散前で6枚、二回目の解散のまででさらに3枚、そこから(King Crimson名義に限定し、ミニアルバムを除いた上でProjecktを除けば)3枚の計12枚ですがその中でも1番好きなアルバムです。何が一番名盤か、だとか何を一番オススメできるか?と聞かれたら宮殿か戦慄かレッドだと思いますけども、一番好きなのは間違いなくこれ。

 

精神異常者、太陽と戦慄やレッドのイメージで考えていると、クリムゾンはプログレのヘヴィーサイドを担当しているように思えます。実際90年代以降の音楽や、ヌーヴォメタル発言からすれば、フリップ自身もあえてその面を強調しているようにも思えますけども、Epitaphや(曲の方の)宮殿、Cadence & Cascadeを聞けばわかるように、クリムゾンはメロウサイドも強調した音楽であるはずです。というかそう思います。そしてそれが一番表に出てきたのがこのIslandsなのではないでしょうか。

 

Formentera Ladyのイントロはコントラバスのソロですが、同じ低音担当の弦楽器でもベースソロからの導入(よくあるパターン)とは随分雰囲気が違うんですね。そのベースは最初のサビから入りますが、すごく躍動感があって良いベースだと思います。ドラムは叩かれず、イアン・ウォーレスはパーカッションのみを演奏。またギターの出番が驚くほど少ない。サビの裏でポロンポロンとフリップが弾いていますが、驚くほど控えめです。

静かな雰囲気に包まれたまま次曲船乗りの話(The Sailor's Tale)に突入します。この曲はライブでもそんなに雰囲気が変わらないというか、コントラバス等々の弦楽器の装飾はライブではないのでそのあたりの雰囲気は再現されず…ということでアルバム版が一番好きかな?という感じです。

 

The Sailor's TaleはFormentera Ladyの静かな雰囲気のまま突入する静かなパート、そして4分~5分くらいから突入するヘビーなパートの対比が美しい曲ですが、アルバム版ではキース・ティペットのピアノ他の装飾が施され美しさが強調された出来になっていますが、ライブでは一転して装飾が剥がされ、激しさが増した演奏になります。というよりフリップが弾きまくっているんですが、逆に言えばアルバムはそこが物足りないし良く言えば整合性があるということです。このテイクは最も整合性があり、美しいテイクと言えそうです。逆に最も暴虐的なテイクの一つが、Eathboundのテイクではないでしょうか。

 

Lettersは、宮殿発表後にDrop Inというタイトルで演奏されていたものを復活させ、歌詞を変更したもの。そのため少し雰囲気が前2曲とは違います。で、ボーカルパートはシンフィールド日からがあった頃の作曲だけあって結構耽美的なんですが、インストは次曲にも通じるブルース的なヘヴィーさを持つもので、統一感がないというか、バラバラな印象がある分、このアルバムの中では劣るかな?都という感じ。

 

Ladies on the Road。一転してブルース趣味が出た曲で、ぶっちゃけそんなに好きではない。ボーカルが好きではないというか、Freeでやったらまた違う面白さがあったかもしれないような曲。

 

Prelude: Song Of The Gullsは次曲Islandsの前奏と言える曲ですが、これはもはやロックですらなくクラシックです。もっともクラシックとしてもそんなにいい曲とは……映画音楽的といったほうが正しいかも。

 

Islands、タイトル曲です。ロック広しと言えども、この曲のエンディングより美しいパートはほとんどないといいます。まさに天上の至楽というにふさわしい曲。一方でボーカルパートも美しい。Schizoidsというブートには珍しくこの曲が入っているんですが(結構演奏されてないんです、この曲)、そちらは後半のパートがカットされているんですが、差俺はそのパートがキース・ティペット以下のゲスト陣によって成り立っているからで、どういうことかというと結局このアルバムの美しさというのはそのような装飾を前提にしたものなのだな、ということです。素のメロディからしてすごくいいんですけどね。

www.youtube.com

 

先に書きましたが、クリムゾンで一番好きなアルバムです。

是非聞いて欲しい一枚。

99点。