見下す蠍の徒然

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見下す蠍の徒然

IF YOU WANT TO FIGHT, BE STRONG!!

Black Sabbath Featuring Tony Iommi - Seventh Star

ハードロック

ロニー・ジェイムス・ディオが脱退し、イアン・ギランを加入させるというウルトラCを実現、Born Againを発表(これまた名盤)するもギランはDeep Purple再結成のためあっさり脱退、アル中で半分廃人だったビル・ワードも、嫌気が差したギーザー・バトラーも脱退して、心機一転ソロ・アルバムでも作るか、とソロ・アルバムを作るも契約上の理由でBlack Sabbath名義になってしまった一枚……というのがこのアルバムを語る上でよくされる説明です。メンバーはボーカルは元Trapeze、Deep Purpleで、当時アル中真っ只中のグレン・ヒューズ、ベースはWhite Lionのデイヴ・スピッツ、ドラムは現在KISSのドラマーであるエリック・シンガー、キーボードはその後のアルバムにも参加するジェフ・ニコルス。

 

どうでもいいんですけど、メタル界には有名所でSeventhのつくアルバムは三枚あります。Iron MaidenのSeventh Son Of Seventh Son、Yngwie MalmsteenのSeventh Sign、そしてこれです。他2枚は、7番目のアルバムだったり、インギーの方はタイトル曲を7曲目に置いていたりと色々意識してるんですが、このアルバムだけは何もなし。タイトル曲は5曲目だし、このアルバムも12枚目です。

 

前のアルバムまでは、Black SabbathBlack Sabbath以来ずっとあった独特の粘っこさがあったんですが(Heaven and Hellですらあった)、このアルバムでは綺麗サッパリなくなってます。

曲調に原因を求めるのが一番手っ取り早いですが、タイトル曲とかHeart Like A Wheelなんてロニーあたりに歌わせたらすごくねちっこくなりそうな曲なわけで、決定打にはならなさそうです。どう聞いてもAORなNo Stranger To Loveなんかは誰が歌っても爽やかなムードな曲なわけで(冒頭のピアノはやりすぎ!)、原因ではあると思うんですけども。ミドルテンポの曲が二曲しかなく、またサバス定番の前半はスローテンポ、後半で狂ったように疾走するという曲もないです。

じゃあボーカルに求める?グレン・ヒューズも充分ねちっこい歌い回しをしていると思うんですけども……Heart Like A Wheelなんか特にそう。数少ないミドルテンポの曲です。

ギーザーの不在?これは結論に近そう。でも復活したDehumanizerとか、Ozzyの作品がどうかというと……

キーボードが異様に目立つ、これが正解な気がします。こんなにキーボード目立つアルバムここまでになかったと思いますよ。Turn To Stoneとか。

まあ、ここにあげた要因全部が絡み合って冒頭の結論に達してるんだと思います。

 

アルバムの傾向は様式美です。でもグレン・ヒューズが歌っているのと、No Stranger To Loveのおかげでそうは言い切れないような、よくわからないバランスに。空気感としてはTYRにも似ていますが、あれは極めて北欧的な音楽なのに対し、これは英国の範疇に収まっています。

不思議な空気感のアルバムですが、アイオミ師匠は弾きまくってますし、グレンも歌いまくってるわで、いいアルバムですよこれ。Black Sabbathが前にもあとにもやらなかった音楽です。

 

www.youtube.com

タイトル曲。

www.youtube.com

グレンによるライブ。

 

91点。