見下す蠍の徒然

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見下す蠍の徒然

IF YOU WANT TO FIGHT, BE STRONG!!

U.K. - Danger Money(1979)

Asiaを受けてだと、次は時系列的にはU.Kでしょうか。1stとこの2ndで少し迷いますが、ここはどちらかというとウェットン色が強いといえるこの2ndで。

 

もともとこのU.K.というバンドは、YESのリック・ウェイクマンビル・ブラッフォード、それにジョン・ウェットンが三人でやろうとしていたところからリック・ウェイクマンが抜け、そこにジョンがエディ・ジョブソンを、ブラッフォードがホールズワースを連れてきた、というバンド。ウェットンの思惑としては、ジョブソンをいっちょ世の中に出してやろう、というようなことらしです。似た話として、Arch Enemyは、マイケル・アモットが弟のクリストファー・アモットを売り出すために始めたプロジェクトで、クリストファーが売り出せれば解散し、自分はSpiritual Beggersに専念しよう、というエピソードがありますね。もっともあちらは望外にバンドが成功してしまい、ずっと続けることになった挙句クリストファーが出たり入ったりの、当初のマイケルの思惑とは全く違う形になってしまっております。というか今のギタリストってジェフ・ルーミス(元Nevermore)なんですね。知りませんでした。

 

閑話休題。そのような思惑があったこのバンドですが、思ったほどには成功せず、2作で解散~ウェットンはセッション活動を続けながらソロへ~Asiaへ、というのがこの後の時系列になります。もっとも、当初の思惑からすれば、そんなに長続きさせ続けることはなかったとも思えますが。1stの後、ウェットンのポップ路線に反発したブラッフォードとホールズワースが抜け、ギタリストは補充せずにザッパのところにいたテリー・ボジオが加入した、というのがこのアルバムが作られるまでの流れ。

 

1.Danger Money

2.Randvous 6:02

3.The Onlt Thing She Needs

4.Caesar Palace Blues

5.Nothing to Lose

6.Carrying No Cross

 

”Danger Money””The Onlt Thing She Needs””Carrying No Cross”のようなプログレ寄りの長尺曲と、”Rendezvous 6:02””Caesar Palace Blues””Nothing to Lose”のような短く、ポップな曲が概ね交互に置かれています。「最後のプログレ」ともいえますし、「プレ・エイジア」とも言える、絶妙な感じです。クリムゾンとは全く違いますし、キーボード・トリオということでどちらかというとEL&Pっぽくも感じますが、確かにプログレの残滓と言えるとは思います。また、短い曲の中にプログレ的手法を用いるところ那珂はプレ・エイジアとも言えそうなものです。

が、ポップセンスについてはエイジア、もっというとその一つ前のウェットンのソロとは違うと思うんですよねえ……例えば、When Do You Realizeなんかはその頃からあったという曲ですが、

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他の曲に比べて随分毛色が違うように思えます。”Rendezvous 6:02””Caesar Palace Blues”なんかはおしゃれな感じの曲(Bluesっぽい?)です。

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意味深な歌詞も相まって、ミステリアスなバラード?としてよく出来て入る曲だと思います。その後のウェットンのキャリアにはあまりない感じの曲でもあります。

そしてやはり”Nothing to Lose”がこのアルバムで一番良く聞く曲でしょうか。

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ぱっと聞いている限りだともうプログレには聞こえませんよね?エレキヴァイオリンが大変格好良くたされている曲だとは思いますが、もうこれはハードロックだな……あと歌詞のヴァリエーションが少ない気がする……間奏のヴァイオリンソロがいいですね……ヴァイオリンの重要さをよくわかっているウェットンだからこそ、ここまでジョブソンに華を持たせたのでしょうか?ウェットンの路線としては、エイジアにはつながらないハードロック的な曲だと思います。

 

いいですよね、U.K.も。時代の徒花、という感じが強いですが、純粋なプログレ作品としてとても良く出来ていてよく聞くアルバムです。